虫歯ができる条件
こんにちは、歯科医師のRです
今回は、虫歯ができる条件のお話です
同じ食生活をしていても、虫歯になる場合とならない場合があります
なぜだと思いますか?
それは虫歯を作るためには、条件をすべて満たさないといけないからなのです
今回のお話は、虫歯菌の立場に立って物事をみていくことにします!
虫歯菌さんから良質な虫歯を作るマニュアルをお借りしてきましたので、皆様にも教えてあげますね!
☆「虫歯の作り方」☆
良質な虫歯を作るには、4つの条件を満たさないといけません
①歯
虫歯を作るには、素材がないといけませんよね
歯がない人には虫歯を作れないのです
また、丈夫な歯は酸で溶かしにくいので、日ごろから不摂生な食生活でボロボロになった歯は良い素材といえます
②虫歯菌の数
虫歯を作るためには、虫歯を作るための労働者が必要になってきます
もちろん、労働者が多ければそれだけ早く、そして大きな虫歯を作ることができます
③栄養素
虫歯菌だって生きているんです!
腹が減っては戦はできぬ!!
虫歯菌も頑張って働くには、ご飯が必要なのです
またご飯は、歯を溶かす材料にもなるので、いっぱいあった方が虫歯菌も喜びます
④時間
魔法みたいに、パっと虫歯ができたら虫歯菌も苦労はしません…
実際は、時間をかけて作った酸を使って、じっくり歯を溶かします
良い仕事は、じっくり丁寧に!これが良質な虫歯を作る鉄則なんです♪
どうですか?
皆さま、良質な虫歯の作り方お分かりいただけましたか?
…
はい、わかっていますよ!
今回、このマニュアルをお見せしたのは、もちろん虫歯を作ってほしいからではありません
どうしたら虫歯ができるのか知ってほしかったのです
虫歯は、上記の4つの条件を満たして初めて作ることができるのです(Keyesの輪と呼ばれるものです)
逆に言えば、どれか一つの条件を満たせなくすれば…虫歯はできないのです!
(まぁ、この条件を無くすことが…大変なんですが…^^;;)
条件を一つずつみていきましょう
①歯
歯は毎日の食事に欠かせないものです
歯が一本も無ければ虫歯にはなりません
だからといってすべての歯を抜くわけにはいきませんよね?
酸を使って歯を溶かしていくのが虫歯
溶けにくい丈夫な歯にしてしまえばいいってことです
丈夫な歯の作り方は、また別の機会に!
②虫歯菌の数
虫歯菌の数の大小によって虫歯になるリスクは変わってきます
だからといって、すべての虫歯菌を無くすために消毒液をむやみに使うのは良くないです
お口の中には数百種類の様々な細菌が生息しており、総数は数千億ともいわれます
細菌同士、仲が良い関係もいれば、仲が悪い関係もいます
強い細菌もいれば、弱い細菌もいます
悪い働きをする細菌もいれば、良い働きをする細菌もいます
特定の細菌を撲滅すると、今までその細菌によって勢力を抑えられていたもう一方が一気に増えることも!
病的な細菌が極端に増えることは望ましくないですが、なんだかんだ細菌たちはうまい具合に互いにバランスを保っているんです
バランスを崩すことは逆に悪影響を及ぼす危険性がありますし
数千億ともいえるすべての細菌を死滅させることは現実的には不可能なのです(良い働きをする細菌もいるので…)
どうしたらいいのか!?
はい、難しい話ではありません
しっかりと日々の歯磨きで、虫歯菌を排除してあげればよいのです
完全に無くすことはできませんが、数を減らせばそれだけ虫歯のリスクが下がるのです
数を減らすだけでいいの?
はい、いいのです!
お口もダメージを受けた歯の表面を修復してくれる機能が備わっているのです
虫歯菌によるダメージより、修復する力が勝っていればいいのです
③栄養素
極端な話、食事を一切摂らなければ大丈夫です!
でも、私たちが生きていくためには無理ですよね?
虫歯菌も、食べかすや磨き残しから栄養素をもらうわけですが
そもそも…しっかり歯磨きを行って、磨き残しを無くせば、虫歯菌にとっても致命的になりますよね!
また、一番栄養になりやすい糖分ですが、虫歯菌の栄養になりにくいとされる糖を使った食品も多いです
(キシリトールとか…そういった話もまた今度しますね!)
④時間
栄養素が近くにあるからといってもすぐに歯が溶けるわけではありません
また歯も修復する機能が働くので、ダメージを負ってもすぐに溶けてしまうわけでもありません
歯が溶けるまでには時間が必要なのです
他の3つの条件を満たしていても、虫歯菌が活動させる時間を与えなければいいのです
こちらも日々の歯磨きで、虫歯菌のコントロール、栄養素を残さないことが近道といえます!
どうですか?
普段の食生活も大事ですが、日々の歯磨きが大事ということがお分かりいただけましたか?
こんどう小児歯科では、虫歯予防につながる歯磨き指導を行っています
お待ちしております!